Q&A

TOUGH NET タフネット
1. オープンモニタリングとは何ですか?
3つの通信環境(マンホール内、マンホールアンテナ経由、地表)と、2つの無線通信インフラ(3Gに代表される移動無線通信網と、サブギガ帯を利用した長距離・低速・低消費電力通信システム)を合理的に組み合わせたモニタリングシステムのことで、様ざまな組み合わせによる実用化が実験レベルで進行中です。
すでに、マンホールアンテナを利用した3G規格の監視システムについては他社技術への協力という形で実用化されています。
2. マンホールステーションとは?
オープンモニタリングを利用した、下水管路内情報をマンホールで集約して無線通信するシステム。具体的には、下水道管渠内情報や河川、処理場・ポンプ場・流入ゲート等の水位・流量・水質・ガス・画像(静止画・動画)情報を、一年以上維持管理を必要としないバッテリー駆動で、ネット環境にオープンに繋ぐことに取り組んでいます。
3. オープンモニタリングの近未来は?
サブギガ帯の低消費電力通信システムを利用し、IoT技術を駆使したモニタリングシステムの実験がスタートしています。このモニタリングシステムの近未来は、経済性・簡単に移動できる機能性・汎用の通信インフラを利用できる利便性を生かしたスクリーニング調査からの展開や、部分的なスクリーニングとの融合です。
不明水・水位・流量調査
1) I/I (不明水)診断
1. 不明水とは、どのようなものですか?
不明水とは、浸入水(雨天時・常時)、有収外汚水(浸入水以外の、水道料金では算入できない不明水)、漏水(マイナスの不明水)で構成されます。
上記の浸入水(常時)は、雨天時浸入水以外の浸入水の事で、『分流式下水道における雨天時増水対策の手引き(財)下水道新技術推進機構』(以下マニュアル)では、地下水浸入水と表記されています。
2. 不明水対策調査は、国庫補助事業の対象なのでしょうか?
国土交通省の通達に基づく実施例があることから、不明水対策調査は国庫補助対象です。
3. 深夜作業を伴う遡流式分布調査で、住民からの苦情はありませんか?
ほとんど苦情はありません。
あらかじめ作業内容や日時、服装(身分証・腕章)を周知することや、昼間に調査対象のマンホール蓋を一度開けておくことで、大きな音が出ないように工夫しています。
4. 雨天時増水対策(溢水対応)と浸入水削減対策とでは、どちらが優先されますか?
溢水は、二次災害(公衆衛生上の汚損、施設冠水によるポンプ等の故障、人孔蓋の飛散、交通事故、人身事故など)を起こし、場合によっては維持管理費の何百倍の費用が発生するため、施設増強による雨天時増水対策が、削減対策よりも優先されることは明らかです。
ただし、地下水位が高く、年間を通して常時浸入水が非常に多い場合、無駄な下水処理と過負荷処理による環境汚染、浸入水に伴う土砂引き込みによる道路陥没や交通事故を招来するため、削減対策と増水対策を平行して行う必要があります。
5. 溢水対策における施設増強対策とは、どのようなものですか?
バイパスの設置、管渠の拡径、貯留施設の設置、ポンプ施設の増設や、ポンプ交換や作動ルーチンの変更による、ポンプ能力の強化対策のことをいいます。
6. 水位調査だけで不明水を定量できますか?
結論から言うと、水位調査だけで不明水を定量することには問題があります。とくに上下流測点で挟まれた区間流量は、差分誤差紛れて解析評価に耐えないことが少なくありません。
あとから、精度を担保できない定量結果(流量値)だけが独り歩きすることがないよう、不明水の定量評価には水位調査ではなく、ぜひ流量調査をご利用ください。
詳しくは、添付資料をご覧ください。
水位調査から計算される流量の実用精度(PDF)
別表・流量計測方式比較表(PDF)
7. 不明水マップを作りたいのですが?
圧力チップによる水位スクリーニングにより、処理区・排水区・開発団地・建設経過年数・住居区分別等、様々な規模を対象としたマップを短期間かつ経済的に作成することができます。
8. 水位情報だけで不明水対策エリアを絞り込むことができますか?
晴天日平均水位・最低水位、雨天日最高水位・平均水位、水位管径比に組み合わせにより、不明水対策が必要な地域を絞り込むことができます。
9. マニング公式を利用して、水位情報を流量情報に変換することはできますか?
できますが、代表的な粗度係数と計画管勾配を用いる方法は、精度が期待できません。また管底付近水位や満管付近および満管を超える水位は精度を期待できません。逆流・滞留がなく水位変化が緩やかなケースでは、平均流速実測値から計算する粗度勾配係数を使って比較的精度よく流量を計算することができます。
2) CSO(合流式下水道雨天時越流)診断
1. 雨水吐きの放流量を正確に計測することは可能ですか?
3つの方法があります
① 越流堰の水位を測る方法:横越流する刃型堰ではなく広頂堰であるため、残念ながらJISに掲載されているような精度は期待できません。簡易的な方法としては、堰の両端の水位を圧力チップで計測し、平均水位を用いる方法があります。
② 放流渠の流量を面速式流量計で測る方法:越流堰から放流口までに直線距離があり、放流口からのバックがないことを条件に計測が可能です。
③ 合流管流量と遮集管流量の差分を取る方法:精度的にはこの方法が最も期待できますが、器差を揃えた流量計2台を必要とします。
2. CSOスクリーニングにより、越流マップを作りたいのですが?
圧力チップを用いる①の方法により、降雨量(降雨強度)と越流の関係を、全雨水吐きで確認することができます。降雨初期負荷量調査は、この結果に基づいて行うのが合理的です。
3. 降雨初期越流負荷量調査の空振り対策はありますか?
設置場所と自動採水器の空振りを見込んで余分に設置する制約を要しますが、越流水位トリガとプログラム採水コントローラ、自動採水器の組み合わせにより、空振りがあっても、自動採水器1台分の空振りで済ます方法があります。
3) SSO(分流式下水道雨天時越流)診断
1. SSOの実情を教えてください
SSOとは雨天時に汚水が人孔から溢水したり、処理場・ポンプ場の冠水を引き起こすような現象で、原因は雨天時浸入水と常時多い地下水浸入水、相対的な流下能力不足によって生じます。この問題はあってはならないという建前から潜在化しやすいのですが、多くの自治体が持つ共通の悩みで、バイパス放流など今も大きな問題を抱えています。
2. SSOの問題を解決することは可能ですか?
従来法の中では解決が困難な問題であると認識されています。日本以外の先進国でも同様の悩みを抱えており、CSOと同様の実務対応で問題解決が図られることが期待されています。
3. SSOのスクリーニングは可能ですか?
可能です。圧力チップによる水位スクリーニングにより、降雨量(降雨強度)と管径および管径比水位、実務対応としての管内貯留の水位変化調査を組み合わせて、俯瞰レベル(対策の分母レベル)で問題点を抽出することができます。
4) 雨水管理関連診断
1. 雨水管理の実情を教えてください。
雨水問題とは、降雨時に雨水人孔・雨水桝・側溝・水路から溢水し、浸水(内水)を生じるもので、都市化にともなうゲリラ降雨・舗装化による短時間流入など、地域を問わず看過できない実情があって、喫緊の問題解決が求められています。
2. 雨水管理スクリーニングは有効ですか?
降雨時の管内水位の挙動を面的に調べることは、雨水管理に必要不可欠です。流出解析モデルのパラメータの取り方や解析に重要な情報選択、合理的な流入ゲート操作フローなど、様ざまな適用が見込まれます。
3. モニタリング施設の設計に使えますか?
施設設計の前に、どのような水位情報を得ることができるかを事前に知ることは、道理的なモニタリング施設設計に極めて有用です。
5) 下水熱関連診断
1. 下水熱負荷量を簡単に計測する方法はありますか?
圧力チップは温度計を内蔵しており、簡易的には水位から計算した流量と温度を乗算して簡単に負荷量を計算することができます。
2. 事業排水の下水熱利用で、正確に下水熱負荷量を計測する方法はありますか?
排水管径に応じて、PBフリューム式または面速式流量計と温度ロガーの組み合わせ調査をお勧めします。
6) 事業排水管理関連診断
1. 悪水(無届排水)先を特定することはできますか?
圧力チップによる、対象先の水位・温度スクリーニングにより、一般排水パターンとの差を利用して、悪水先の目星をつけることができます。
2. 広域事業所内の不明水特定はできますか?
圧力チップによる水位スクリーニングを適用して、浸入水ルートやスパンを特定できます。
3. 下水メータによる下水使用量認定に適用できますか?
国家標準とのトレーサビリティを有する流量計との比較試験による認定、自治体(下水道管理者)立ち合いによる精度確認、データを改ざんできないシステムなどのコンプライアンスを必要とします。
劣化調査
1. 鉄筋が密なところでもコアを採取できますか?
できます。
ソフトコアリングを用いての圧縮強度試験が可能です。
2. EPMAで硫黄浸透深さを分析すると、費用も期間もかかるのですが他の方法はないのですか?
簡易的ではありますが、フェノールフタレイン溶液のような指示薬を、採取コアに直接噴霧する方法もあります。
3. 採取コアで、圧縮試験・中性化試験・静弾性係数を測定したいのですが、コアを何本採取する必要がありますか?
1本で全試験を行えます。
4. コア穴や、はつり跡はどのように復旧するのですか?
基本は無収縮モルタルで復旧しますが、必要であれば耐硫酸モルタルで復旧します。
5. 構造物を傷つけないで、躯体厚さは測定できますか?
できます。衝撃弾性波や超音波などの方法があります。
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水位チップ
1. 圧力チップを使った調査の精度はどれくらいですか?
圧力チップの誤差は最大±1cm(10mの0.1%)で、大気圧計の誤差を合わせた合成精度は±√(12+12)cm=±1.41cm =F.S±0.141% となります。
水位スクリーニングが必要とする目的精度をF.S±0.5%※とすると、これを満足しています。

※「下水道管きょ等における水位等観測を推進するための手引き(案)平成28年4月 国土交通省水管理・国土保全局下水道部」p33下水道管きょ内等に設置する水位計の統一規格(案)
この他、気圧の揺らぎによる誤差要因がありますが、社内試験によると5km地点で平均:0.2mmAq、標準偏差:1.9mmAq、10km地点で平均:-0.2mmAq、標準偏差:2.1mmAqという結果が出ています。

2. 電池交換は出来ますか?
電池交換は出来ません。しかし5分間隔で7年、近日リリース予定の新型ロガーは5分間隔で10年以上を予定しています。
3. 防水性能は?
完全防水で耐圧はセンサのフルスケールの3倍、つまり30mです。
4. 定置型水位計として使用できるタイプもありますか?
定置型水位計としては2線式ゲージ圧タイプの圧力水位計を取り扱っています。
5. 購入することは可能ですか?
購入およびレンタルも可能です。お問い合わせください。
排水流量計
1. そもそもフリュームって何?
フリューム(Flume)は、樋(とい)形状のもの表す英語で、土木では、水路の一部を加工した流量計測用水路のことを、フリュームと呼んでいます。
農業用水路の一部を絞り、または鞍部(あんぶ)を設けて底部を高くすると、下流の影響が切れ、絞り(鞍部)上流側の水位と流量が、比例します。この水位から流量を測定する水路施設のことをベンチュリーフリュームといいます。
欧米を中心に、用途や、水路規模、水理条件に適合した様々な形状のベンチュリーフリュームが開発されおり、ISOにも採用されています。
日本で普及しているベンチュリーフリュームには、下水処理場の流入渠に用いられるパーシャルフリュームや、管渠や人孔で用いられるパーマーボウラスフリュームがあり、それぞれ開発者の名前が付けられています。
タフフリュームは、このパーマーボウラスフリュームを、日本の下水道管渠の規格に合うように適応再設計したものです。
2. せきのことについて教えて
せき(堰)は、水の公平分配という水利を目的とした、各水田への流入を制御するための施設で、流れをせき止めたり方向を変えたりするものです。
せきの越流水位と流量は比例関係にあり、越流水位から流量を計算できます。
様々な用途向けに、三角せき・四角せき・全幅せき・台形せきなど、様々な規格が開発されており、JISやISOにも多くのせきが採用されています。
せきを設けることにより、上流側の水位が上昇し、固形物が沈殿するため、せきの設置に当たっては、予め水質や水路条件を調べておく必要があります。
3. せきやフリュームは、流速を測定しないのに、なぜ流量が測れるの?
せきの場合、上下流の影響を切って、貯めた水をせきから溢れさせると、重力だけで落ちるため、流速は水深に比例し、越流水位から流量を測定する事ができます。このため流速を測る必要がないのです。JISで採用されているせきは、越流断面や流速を変化させる様々な影響を補正して、計測精度を向上させたものです。
フリュームの場合、絞りや鞍部により下流の影響が切られ、水深と流速が一定の関係になる限界流が発生することを利用しています。
このため流速を測定する必要はなく、通過水位から流量を測定する事ができます。
実際は、限界流が生じる位置が下流の状態により変化するため、設定流量に対応する限界水深と計測位置の水深の関係を、ベルヌーイの法則を利用してコンピュータで収束計算させ、水位-流量演算式を作成したあと、実験補正しています。
4. 面速式流量計はなぜ平均流速が測れるの?
同じ音源、同じ周波数の超音波を、位相(僅かな時間)をずらして水中に放射すると、流れの中の様々な気泡や浮遊物に当たって、干渉作用により増幅された反射波が生じます。(位相コヒーレンス作用)
この様々な流速成分が合成された反射波を、高速フーリエ解析により周波数変換すると、周波数帯ごとの重みである流速分布を取り出してヒストグラムを生成する事ができます。このヒストグラムから、加重平均により平均流速を計算します。
5. 流量計の精度や校正について教えて
精度検査は原則、国の基準流量計からの追跡精度が確認可能な、トレーサビリティを有する基準流量計との比較試験により行います。また必要に応じて、現地で電磁流量計や水道メーターとの比較試験を行って、取引用計器としての認定を受けることもあります。
試験水路の規模には限界があるため、大規模水路用の流量計は、河川砂防技術基準などを適用して、現場の流速分布を調べ、流量計を現場校正することがあります。
試験水路と異なる水理条件が懸念される場合は、ポータブル流量計で予め現場条件を確認することもあります。
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Fデータサービス
1. Fデータサービスとはどういったサービスですか?
弊社スタッフが現地確認から機器設置、データ回収、機器撤去迄を行い、現地にて回収したデータをクラウドへアップロードし、お客様がネット経由で計測データを確認できるサービスの総称です。
2. 計測できる内容は何ですか?
水位や流速、流量や雨量等必要な計測内容を選択できます。
3. 計測器の台数や計測日数はどれくらいの規模まで対応可能ですか?
各計測機共、豊富な台数を在庫しておりますが、季節や時期により在庫数の変動がございますので、事前にご相談ください。
4. 費用の目安はどれくらいですか?
【費用例】絶対圧式水位計での14日間計測で¥110,750/箇所(税別)〜になります。
※20箇所以上の場合の1箇所当たり費用です。一般交通整理員2名×1日含む。事前現場下見費用別途
5. 計測に際し、準備期間はどれくらい必要ですか?
計測開始日を起算に2週間から3週間必要です。
【一般的な流れ】
現地下見→計測方式検討→お客様へ計測方式等回答→お客様の承認後→道路使用許可等申請
→現場日程調整→計測器設置及び計測開始
6. データをリアルタイムで閲覧できるのですか?
現時点ではスタッフが現地にて回収して来たデータをアップロードする形になりますので、リアルタイムでの確認は不可です。
7. 機材の精度や校正はどうなっていますか?
各機材は年一回の校正を行い、出荷時に各機材の動作確認等の上、設置する事になっております。計測精度は現場状況に拠る部分が大きく影響し、カタログ等の精度が現地計測の精度を確保するものではありませんので、ご了承ください。
レンタルサービス
1. 1日からでもレンタル可能ですか?
調査機材レンタルは、1日より承ります。パックサポートは、1週間からとなっております。
2. 流量計設置の経験がないのですが、誰でも設置できますか?
ロケーションにもよりますが、設置できます。設置に不安がある方は、パックサポートをご利用いただくといいと思います。パックサポートは、流量計設置時に現場指導員を1名派遣し、計測器の取扱い方法、据え付け、データ回収、撤去までを丁寧に説明させていただきます。
3. 流量計の点検で、持ち出しできるパソコンがないのですが?
台数に限りありますが、データ回収用ノートパソコンを準備してありますのでご相談ください。
4. 計測後の流量データ解析に不安があるのですが、教えてもらえますか?
収集データの整理から報告書作成までのサポート体制は整っておりますので、ご相談ください。
5. レンタルした機材が故障したのですが、データはどうなるのですか?
機材の故障、操作ミスによるデータの保証は一切おこなっておりませんので、ご了承ください。発送前に弊社の専門スタッフが商品発送前に必ず動作確認を行っております。